- 中国語の習得に必要な勉強時間を知りたい
- レベル別の学習期間の目安を知りたい
- 中国語検定やHSKの難易度を知りたい
- 各レベルで必要な能力を知りたい
中国語の勉強をしていると、
「中国語を話せるようになるためには、どれくらい勉強を続ければいいのだろう」
と不安になりますよね。
そうしたお悩みを解決するために、この記事では、中国語の習得に必要な勉強時間の目安について解説します。
具体的には、以下の3つの根拠に基づき、中国語能力を6段階のレベルに分けて解説していきます。
- 中国語の有名な検定試験である中国語検定及びHSKの公式サイトの情報
- 周りの中国語上級者の方々の経験談
- 私自身の経験(30歳から3年間勉強して、中国での仕事が可能なレベルまで到達)
この記事を書いた人
- 中国語を使う仕事に従事する30代サラリーマン
- 30歳の時に全くのゼロから中国語の勉強を開始
- 勉強開始から3年で駐在員として中国へ派遣
- 3年間の駐在生活で“リアルな中国”を体験
この記事を書いた人
- 中国語を使う仕事に従事する30代サラリーマン
- 30歳の時に全くのゼロから中国語の勉強を開始
- 勉強開始から3年で駐在員として中国へ派遣
- 3年間の駐在生活で“リアルな中国”を体験
この記事を読むことで、
- 自分の目標を達成するためにどのような能力を習得すべきか
- 必要な能力の習得にどれくらいの時間がかかるか
を把握できます。
中国語学習のゴールを明確化することができるので、モチベーションの維持や具体的な学習計画を立てるのに役立ちます。
- レベルごとに必要な勉強時間の目安
- 各レベルで合格可能な中国語検定・HSKの試験
- レベルごとに習得しなければならない中国語能力の詳細
中国語の習得に必要な勉強時間(全体概要)
中国語能力を6段階のレベルに分けた場合、レベルごとに必要な勉強時間と合格可能な検定試験は、以下の表のとおりです。
レベル | 勉強時間 | 検定試験 |
---|---|---|
発音・単語・あいさつの基礎を習得 | 60〜120時間 | 中国語検定準4級、HSK2級に合格 |
簡単なフレーズが話せて聞き取れる | 120〜240時間 | 中国語検定4級、HSK3級に合格 (HSK4級の内容を半分程度習得) |
簡単な日常会話ができる | 240〜360時間 | 中国語検定3級、HSK4級に合格 (HSK5級の内容を3割程度習得) |
日常会話であれば問題なくできる | 700〜1000時間 | 中国語検定2級、HSK5級に合格 (HSK6級の内容を3割程度習得) |
日常会話に加えて専門的な会話もできる | 1000時間以上 | 中国語検定準1級、HSK6級に合格 |
高難度の翻訳と通訳ができる | 数千時間以上 | 中国語検定1級に挑戦可能 |
次の項目からは、各レベルで習得すべき能力や、習得に向けた注意点を含め、詳しい解説をレベル別に行っていきます。
発音・単語・あいさつの基礎を習得したレベル
勉強時間・期間と合格可能な検定試験
このレベルに到達するために必要な勉強時間は、60〜120時間です。
平日に毎日1時間+土日に5時間(1週間で合計10時間)勉強した場合、1ヶ月半〜3ヶ月かかります。
検定試験で言うと、中国語検定準4級、HSK2級に合格できるレベルに相当します。
習得すべき能力
このレベルでは、以下のような能力が必要です。
- 中国語の発音記号である「ピンイン」を全て覚え、正しく発音できる
- 基礎単語500語程度の発音・意味・書き方をマスターしている
- あいさつなど非常に簡単なフレーズを話し、聞き取ることができる
- 語順のルールなど基礎的な文法を理解し、簡単な単文を作ることができる
このレベルに到達して初めて、中国語を話せるようになるための学習に進むことができます。
ちなみに、この中で最も時間がかかるのは、発音の習得です。
正しい発音を身に付けるには、40〜100時間(1ヶ月〜2ヶ月半)を必要とします。
発音の習得に時間がかかる理由については、こちらのページをご覧ください。
簡単なフレーズが話せて聞き取れるレベル
勉強時間・期間と合格可能な検定試験
このレベルに到達するために必要な勉強時間は、120〜240時間です。
平日に毎日1時間+土日に5時間(1週間で合計10時間)勉強した場合、3ヶ月〜6ヶ月かかります。
検定試験で言うと、中国語検定4級、HSK3級に合格でき、HSK4級の内容を半分程度習得したレベルに相当します。
習得すべき能力
このレベルでは、以下のような能力が必要です。
- 中国語の短いフレーズを正しく発音できる
- よく使う単語1,000〜2,000語程度の発音・意味・書き方をマスターしている
- よく使う簡単なフレーズを話し、聞き取ることができる
- 基本的な文法を理解し、その文法を用いた単文を作ることができる
- 比較的長い文章を読んで大体の意味を理解することができる。
このレベルから、勉強の内容が本格的になります。
単語、文法、フレーズなど覚えなければならない内容が増え、リスニング能力も鍛える必要があります。
大変ではありますが、勉強した分だけ表現できることや聞き取れる内容も増えるので、成長を実感しやすいでしょう。
注意してほしいのは、この段階でも、正しく発音するための訓練を続けなければならない点です。
なぜなら、1音節ずつや1単語ずつは正しく発音できても、フレーズになると上手く発音できなくなることが多いためです。
訓練を続けて正しい発音を使いこなせるようになると、リスニング能力も向上します。
単語やフレーズを勉強する際、正しい発音を意識して何度も声に出しながら覚えることで、発音・語彙力・会話力・リスニング能力を効率よく鍛えることができます。
簡単な日常会話ができるレベル
勉強時間・期間と合格可能な検定試験
このレベルに到達するために必要な勉強時間は、240〜360時間です。
平日に毎日1時間+土日に5時間(1週間で合計10時間)勉強した場合、6ヶ月〜9ヶ月かかります。
検定試験で言うと、中国語検定3級、HSK4級に合格でき、HSK5級の内容を3割程度習得したレベルに相当します。
習得すべき能力
このレベルでは、以下のような能力が必要です。
- 中国語のフレーズや短い文章を正しく発音できる
- 日常会話で使う単語2,000〜3,000語程度の発音・意味・書き方をマスターしている
- 日常会話で使う簡単なフレーズを話し、聞き取ることができる
- 基本的な文法を理解し、その文法を用いた単文と複文を作ることができる
- 比較的長い文章を読んで正確に意味を理解することができる
このレベルに到達できれば、中国語の初級をクリアしたと言えます。
しかし、この段階では、語彙力や作文能力、文章の読解力と比べて、会話力とリスニング能力が不足しがちです。
日常会話で使うフレーズを覚える時は、正しい発音を意識して何度も声に出すようにしましょう。
そうすることで、会話の際、日本語を介さず、条件反射でフレーズが出てくるようになります。
加えて、中国語を聞く機会を増やしたり、シャドーイングを繰り返したりすることで、リスニング能力の向上にも取り組むようにしてください。
日常会話であれば問題なくできるレベル
勉強時間・期間と合格可能な検定試験
このレベルに到達するために必要な勉強時間は、700〜1000時間です。
平日に毎日1時間+土日に5時間(1週間で合計10時間)勉強した場合、約1年半〜約2年かかります。
検定試験で言うと、中国語検定2級、HSK5級に合格でき、HSK6級の内容を3割程度習得したレベルに相当します。
習得すべき能力
このレベルでは、以下のような能力が必要です。
- 中国語の文章を正しく発音できる
- 日常会話で使う単語5,000語以上の発音・意味・書き方をマスターしている
- 日常的に使う多くのフレーズを話し、聞き取ることができる
- 基本的な文法をマスターし、その文法を用いた文章を作ることができる
- 長い文章を読んで正確に意味を理解することができる
- 比較的長い文章を正確に聞き取ることができる
このレベルに到達すれば、中国で問題なく生活できます。
しかし、このレベルから、必要な能力の習得が一気に難しくなります。
まず、マスターすべき単語の量が大幅に増えると同時に難易度も上がります。それに伴い、フレーズや文章の内容も難しくなります。
加えて、ネイティブの話す早口な中国語を聞き取った上で、適切な中国語で返答できるようにならなければなりません。
語彙力を向上させると同時に、聞き取る能力と話す能力をこのレベルまで高めるためには、かなりの時間と努力が必要です。
そのため、このレベルになると、なかなか成長が実感できず、途中で挫折する割合が多くなります。
休まず勉強を続ければ成長を実感できるタイミングが必ず訪れるので、コツコツと継続することが大切です。
日常会話に加えて専門的な会話もできるレベル
勉強時間・期間と合格可能な検定試験
このレベルに到達するために必要な勉強時間は、1000時間以上です。
平日に毎日1時間+土日に5時間(1週間で合計10時間)勉強した場合、2年以上かかります。
検定試験で言うと、中国語検定準1級、HSK6級に合格できるレベルに相当します。
このレベルは、一般の中国語学習者が到達できる「最高レベル」です。
習得すべき能力
このレベルでは、ビジネスレベルの中国語を「読み」「書き」「聞き」「話す」総合的な能力が必要となります。
つまり、中国語を使う職場で即戦力として働ける能力が求められるということです。
具体的には、
- 中国語でのメールのやり取り
- 各種資料の日本語訳・中国語訳
- 中国人との仕事に関する会話
といった業務を難なくこなす能力が求められます。
このレベルになると、会話力やリスニング能力をさらに向上させる必要があります。
その上で、たくさんの慣用句、成句、四字熟語をマスターし、時事問題など幅広い分野にも対応できるようにならなければなりません。
加えて、様々なテーマや場面に適した中国語を用いて、文章を書き、スピーチを行えるだけの表現力も必要です。
これらの能力は、並大抵の努力では習得できません。
そのため、このレベルまで到達できる中国語学習者は少ないのが実情です。
このレベルを目指す方は、長期戦を覚悟して、数年の勉強期間を見込んだ計画を立てるようにしましょう。
高難度の翻訳と通訳ができるレベル
勉強時間・期間と合格可能な検定試験
このレベルに到達するためには、1つ前の日常会話だけでなく専門的な会話もできるレベルから開始しても、最低数千時間は勉強する必要があるとされています。
しかも、平日に毎日1時間+土日に5時間(1週間で合計10時間)だけの勉強で到達するのは不可能です。
中国語漬けの毎日を送っても、5年以上は勉強を続ける必要があると言われます。
検定試験で言うと、中国語検定1級への挑戦を目指せるレベルに相当します。
中国語検定1級は、中国人でも合格が難しい超難関の検定試験として有名です。
習得すべき能力
このレベルでは、前提として、日常的な話題も専門的な話題も流暢に話す能力が必須です。
その上で、講演や会談といったオフィシャルな場において、正確に通訳できる能力が求められます。
このレベルに到達できるのは、全ての中国語学習者の中でも、ほんの一握りの人だけです。
プロの翻訳家や通訳者を目指しているのでなければ、このレベルに挑戦することすら難しいでしょう。
まとめ
この記事では、中国語能力を6段階にレベル分けした上で、
- 各レベルの到達に必要な勉強時間の目安
- 各レベルで合格可能な中国語検定・HSKの試験
- 各レベルで習得すべき能力
について解説しました。
この記事を読むことで、あなたの目標達成のために習得しなければならない能力と勉強時間の目安が、これまで以上に明確となったはずです。
明確なゴールが定まっていると、モチベーション維持につながり、途中で挫折しにくくなります。
また、この記事で解説した内容は、目標達成に向けた学習計画を立てるのにも役立ちます。
学習計画が決まったら、設定したゴールに向かって、コツコツと勉強を積み重ねていきましょう。
この記事が、皆様の目標実現のために、少しでもお役に立てれば幸いです。